ジャンル: 実用書
英語難易度: ★☆☆
オススメ度: ★★★☆☆
ページ: 754p
小説を読む、映画を観る。「あーっ、この時代の歴史背景を分かっていたら、もっと楽しめるのになー」と思うことがよくあります。 カエサル大活躍の「ローマ人の物語 (塩野七生)」(19冊目に感想)や、イギリス王リチャード3世はホントに稀代の悪党だったのか問題の「時の娘 (ジョセフィン・テイ)」(105冊目)を読んだときなんぞは、これをヒシヒシと感じました。 もちろん取り敢えずのストーリーは追いかけられるのですが、主人公を取り巻く空気感が今ひとつ掴めない。 せっかくの名著がもったいない。で、おススメなのがこの世界史の教科書。 コンパクトにまとまっていて、固有名詞の英文表記も覚えられて一石二鳥。 日めくりカレンダーのように少しずつ読んで、結構、楽しめました。すぐれモノですよ。
高校生の頃は世界史を選択していましたが、授業を漫然と受けており、今ひとつ記憶に残っていませんでした。 いま現在進行形の地政情勢と絡めてこの本を読むととてもリアルに頭に入ってきます。ロシアのウクライナ侵攻のニュースが連日報道されているいま、とてもざっくりとした絵姿ですがこの両国の国境境界線が常に変化してきたのを改めて認識しました。 歴史の教科書が教えてくれたのは、国家の歴史を語ることはほぼ戦争の歴史と等しいということでした。
国家間の戦争をはじめ、人間の属するグループ間の争いとは本能に根差したものなのでしょうか。何千年もの間、この愚考は繰り返され、学習していません。それぞれの主張する正義とはいったい何なのか。人類は学び自らの意思で次のステージには向かえないのか。 クラークの「幼年期の終わり」(139冊目)の様に強大な裁定者を待つしかないのでしょうか。